医学分野
山梨医科大学名誉教授の入来正躬医博は、山梨県の“ひかりの里クリニック”院長でもあるのですが、炭酸泉の草分け的存在で、≪人工炭酸泉研究会≫の会長も務められ、多くの業績を残しておられます。
入来医博の論文も多いのですが、『炭酸泉で健康になる！』現代書林刊には、体温調節の研究でドイツへ留学した時のころの話から、炭酸泉との出会いや取り組むきっかけなどが書かれています。
この本の著者は、医療ジャーナリストの相沢克幸さんという方ですが、彼が“ひかりの里クリニック”に取材に出向き、入来先生と対談した内容が興味深かった。
以下、『炭酸泉で健康になる！』より抜粋。
相沢記者が炭酸泉研究に足を踏み入れた経緯を尋ねると、入来先生は最初にこう切り出す。 「私はもともと生理学（臨床生理）が専門でとくに体の体温調節については、もう50年近く研究を続けているんです。そしてそれとは別に、当時から温泉研究もやっていました。 炭酸泉の研究を始めるようになったのはまったくの偶然で、体温の研究をきっかけにドイツへ留学してからのことなんです。 でもこの二つのことを同時に説明すると、たいてい聞く人がこんがらがっちゃってわかりにくくなるから、炭酸泉のお話のときはいつも本業のことは切り離して説明することにしているんですよ（笑）」 〜中略〜 「炭酸泉は冷たいと感じる感覚を麻痺させます。真水なら冷たい33℃くらいでも、炭酸ガスがたっぷり含まれる炭酸泉であれば、さほど冷たく感じない。つまり、皮膚も頭も冷たいと感じないわけだけど、それでもずーっと入っていると身震いするんです。それは33℃という温度が皮膚だけでなく体内の深くまで伝わり、そこで寒さを感じて震えるからではないか。つまり炭酸ガスの作用で皮膚は寒くなく、頭もそれを感じない。しかし、体内の深いどこかには温度を感じているところがある。そう考えたわけです。 それでしらみつぶしに探しまして、とうとう脊髄に冷たさを感じる部分があるということをつきとめました。2年半の留学のうち1年半ほど経過したしたときでした。 現在では、からだじゅうのいろいろなところに温度をと感じる場所があるということが証明されていますが、これはその口火を切った発見で、・・・実はいまだに評価されてないんですよ（笑）」 ドイツの炭酸温泉地・バードナウハイム バードナウハイムという温泉療養地には、古代から非常に高濃度の炭酸ガスを含む温泉が豊富に湧き出していて、ローマ時代から人々に親しまれてきたという。 1859年、従来禁忌とされていた心臓病の患者さんをバードナウハイムの炭酸泉に入浴させてところ意外にも効果があり、それ以来心臓療養泉として世界中に知られるようになった。 20世紀以降は、心臓療養のために訪れる患者さんが年間3〜4万人にものぼるという。 しかし、バードナウハイム温泉には医師の処方箋がないと入れないし、入浴施設の個室にはそれぞれ指導者が付いていて、入浴方法や入浴時間について細かく説明したうえで入浴が行なわれ、すでに臨床医学としてしっかり確率されたいたという。 入来博士は、お世話になっていたドイツの大学教授方々のおかげで炭酸泉にはいることができ、その後ヨーロッパ各地の温泉へ行ったそうです。 そして、高濃度炭酸泉に入ると肌が気泡で覆われ、皮膚が紅潮する、低温でも冷たく感じないということに気づき、とくに冷感の麻痺作用に注目して前述のような研究がスタートしたそうです。 そして、
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医学分野
熊田佳孝医博（名古屋共立病院循環器センター心臓血管外科部長）は、 ＡＳＯ（閉塞性動脈硬化症）の専門医であり、腎循環器病研究会や、日本血液浄化技術研究会学術大会、人工炭酸泉研究会等、いろいろな研究会で研究発表されていますが、閉塞性動脈硬化症に対する治療の一環として、人工炭酸泉をいち早く治療に取り入れたことでも有名です。
以下、熊田医博の見解を『本当にいい！」炭酸泉』から抜粋。
| ＡＳＯ（閉塞性動脈硬化症）とは、足の動脈硬化が進んで血管が細くなって詰まり、慢性的に血液循環が悪くなる疾患です。ＰＡＤ（末梢動脈疾患）やＰＡＯＤ（末梢閉塞性動脈疾患）とも呼ばれます。 透析患者さんでは特に腿から下の血管が詰まりやすく、歩行が困難になったり、壊疽が起こるなど、足にトラブルが生じやすい。 ＡＳＯ（閉塞性動脈硬化症）について！ ＡＳＯは、最初のうちは特別な症状がないまま進行します。 次第に、歩くと足が痛むなどの症状が現れ、歩行障害など、日常生活にも大きな支障が生じます。 潰瘍や壊疽になると治療が難しくなるので、早めのケアが大切です。 ＡＳＯの進行と症状を、熊田佳孝・医療法人偕行会名古屋共立病院 心臓血管外科と、加納智美・医療法人偕行会名古屋共立病院 外来治療センターは、共著『毎日いきいき透析楽習帖�─戮念焚爾里茲Δ棒睫世靴討い泙后� ＡＳＯの重症度は４段階で表され、「フォンテイン分類」と呼ばれています。 �掬戞�無症状・冷感・しびれ感。 治療：運動、炭酸泉治療。 �凝戞�間歇性跛行（（かんけつせいはこう）。一定距離の歩行によって、片側の足に痛みが生じて、歩けなくなり、少し休めば痛みが消えて歩けるという状態。 治療：投薬治療、炭酸泉治療。 �慧戞�安静時の痛み。じっとしていても足が痛い状態。 治療：血管の手術、炭酸泉治療。 �古戞� 治療：患部の消毒、下肢切断、炭酸泉治療。 ＡＳＯの予防と治療 予防、そして治療には運動が有用です。 ほかにも症状に応じていろいろな治療が行われます。 炭酸泉を治療に取り入れてから、足指の切断を救えた率は85％！ ASOで足の指を切断した患者の1年後の生存率は、たった50％で半分の方が亡くなるという。 足を救う方法は、補足的な治療として、足浴を毎朝毎晩2回、1回10分〜15分行ないますが、他の病院で切断と言われた患者さんが、熊田先生の勤める共立病院で治療をして、切断せずに済んだ率は85%にのぼると言い、その理由として、皮膚の血行がよくなるだけでなく、運動療法のような効果が得られるからだ、と説明しています。 共立病院では、ASOの治療以外にも、膠原病、強皮症、リウマチ、整形外科分野でも筋肉が硬くて痛みのある状態の患者さんにも利用している。 |
医学分野
松本孝朗医博（中京大学体育学部教授）は、『本当にいい！」炭酸泉』ベースボールマガジン社・刊で、「炭酸泉の一番の特徴は、皮膚の血管を拡張させる作用で、皮膚に炭酸ガスが入って抹消血管が広がる」と解説し、以下の実験で炭酸泉の科学的効果を証明しています。
以下、『本当にいい！」炭酸泉』より抜粋。
| 実験と結果
※閉塞性動脈硬化症の治療効果については、2003年に名古屋共立病院の研究結果が日本透析学会で発表され、腐りかかっていた足の指が炭酸泉により回復した症例が報告されています。 炭酸泉に期待される効果
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医学分野
炭酸博士と異名を持つ平石貴久医師は、重曹健康法をテレビで紹介したことでも知られますので、炭酸泉に興味のある方々は、ご存知の方も多いと思います。
平石医師は、「重曹」（炭酸水素ナトリウム）と「クエン酸」（レモンや梅干等に含まれる）からできる二酸化炭素（炭酸ガス）には以下の作用があると考えています。
以下、『炭酸ライフ始めよう』から抜粋
炭酸の効果
「このほか、炭酸水を飲むことで、胃腸への作用や便秘の緩和が期待でき、美容水として使えば滑らかで潤いのある美肌づくりにも役立つでしょう」と語っています。 そして、『重曹でキレイになる』双葉社刊では、重曹とクエン酸で炭酸が作られるのですが、 重曹の効果としては、
 炭酸泉から少し離れますが、平石先生は、ご尊父が産婦人科で、子どものころから産婦人科の食事の準備を手伝っていたそうです。生い立ちで身に付けたことが、現在の平石先生の治療にも活かされており、最初の勤務先で「患者が教科書だ」と教えられたことを守り、患者から学ぶことを常とする態度は、本書の家庭医学の重要性に現れています。 鍼灸学校の生徒さんなら、すごくくわかりやすいこの本から学ぶことが多いかも知れませんので、古典や学校の教科書で疲れたら、臨床の準備や患者さんとのトークの勉強として読まれてみてはどうでしょうか。 |
スポーツ分野
2006年サッカーワールドカップを控えたジーコジャパンが、宮崎合宿の際に炭酸泉を持ち込はんだり、トップアスリートをサポートする国立スポーツ科学センターでも選手の疲労回復等に炭酸泉を導入している。
- 打撲や肉離れで損傷を受けた筋肉や、疲労で固くなった筋肉を柔らかくします。
- 疲れがとれやすいので、早期の疲労回復を目指すことができる。
- リラクゼーション効果があり、ぐっすり眠れるようになる。
- 冬場でも足先まで温まるので、いつまでも体が冷えないような感じになる。
- 軽く運動したくらいの効果があるので、効率的に体を温めることができる。
美容の分野
炭酸泉は、ｐH4.5〜5くらいの弱酸性ですので、皮膚に優しく、皮膚を引き締めるアストリンゼン効果があり、現在、エステなどでも取り入れられています。
私たちは、虹彩学でいう「物忘れ」や、スクレオロジーでいう「免疫力低下」を治せるのではないか、と炭酸泉と取り組み始めたのですが、臨床を重ねるごとに美容への効果が高いことを認め、現状では美容が先行しています。
- 肌がスベスベになる。
- 肌が引き締まり、顔も小さくなる。
- 普通のお湯よりスッキリする。
- 体の温まり方が違うので肌ツヤがよくなる。
ペットケアの分野
人間が飲む薬の実験は動物から始めます。動物で薬効や副作用などを確認してから、人間に使うのです。
ですから、動物病院で出される「お薬」は、我々人間が飲む「お薬」と一緒のものが多いのです。
ということは、「人間にいいのは動物にもいい」と言えるし、実際にそのような結果が出る。
ペットを飼って困るのに「臭いの問題」がありますが、ペットケアや美容で炭酸泉を使っているお店や家庭では、口を揃えて「臭いがなくなる」ことを話しています。
当会でも、ペットケアをしてみたのですが、炭酸泉入浴の後、飼い主さんがペットに鼻を近づけて、「あ、ほんとだ。臭いが消えている」と喜んでいました。
ペットケアについては、多くの方々が炭酸泉を使っていますので、検索するといろいろな情報が得られます。
家庭の分野
病気は医者が治しても、健康管理は自分の責任と考えるのだが、死ぬ間際まで元気でいるコツとは何だろうか。
好きな時間に炭酸泉に入れて、生活習慣からきた病気も治せるなら、それに越したことはない。
「漫画家の寿命は短い」とテレビで放映されたことがありましたが、それは運動不足で血液循環不良が原因を考えることができます。
子どもは塾で、大人は仕事で忙しい現代、どこかで運動不足を解消しなければ、体調が崩れてきます。
体調と言っても物質的な身体だけでなく、更年期障害に見られるように、精神や思考まで影響が出ると治しにくくなりますが、そのような時に運動療法は有効です。
それは、「思考力が低下した」と思う時に散歩をしてみるとよくわかることで、男の更年期を始めて訴えたはらたいらさんの『はらたいらのジタバタ男の更年期』等を読んでも、運動療法が最良で最短の治療法ということがわかります。
炭酸泉は運動療法の効果もあり、何らかの理由で運動のできない人、運動をする時間のない人、運動が苦手な人には、お勧めしたいものです。